医療法人 孟人会 摂南総合病院
摂南総合病院 リハビリテーション科
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当院リハビリテーション科 認知神経リハビリテーションセンターの設立趣旨
認知神経リハビリテーションセンターの設立趣旨
 現在、認知運動療法は北イタリアのヴェネト州サントルソにあるヴィラ・ミアーリ認知神経リハビリテーションセンターを中心に研究と教育が進められています。今ではイタリア国内に留まらずヨーロッパ諸国、そして日本からも研修生を受け入れながら、着実に新しいリハビリテーションを展開しています。イタリアのスタッフ達は自分たちの目指す目的をまだ出会えない他の仲間に向けて発信しています。それが,アレクサンドル・ロマノヴィッチ・ルリア図書館の宣言です(アレクサンドル・ロマノヴィッチ・ルリア図書館とは彼らが研究のためにつくった有志のグループです)。以下に宣言を紹介します。摂南総合病院認知神経リハビリテーションセンターはこの宣言に賛同し、宣言を規範に活動しています。

アレクサンドル・ロマノヴィッチ・ルリア図書館
宣言

 私たち「アレクサンドル・ロマノヴィッチ・ルリア図書館」は認知運動療法というリハビリテーションの研究方略に結びついた知識の追求と普及をはかること、および文化・社会面におけるその影響を分析することを目的として、科学的および文化的なイニシアチブを称揚し、実現するものである。
 私たちは、リハビリテーションを病的状態における学習と考え、治療に、損傷後の経験を導く基本的手段を認める。
 私たちは研究における厳密な方法論を確立してゆくために、認識論に立った分析が必要であると考える。
 私たちはリハビリテーションにおける研究は、リハビリテーション治療の質の向上と、より多くの市民に治療の門戸が開かれることを最優先の目的にすべきと考える。
 私たちは、リハビリテーションの対象である病気を利益目的で搾取しようとする意図に対して、あらゆる形で闘うものである。
 私たちは、研究に真摯に取り組むことをその本旨とすることから、現在のセラピスト養成課程が不十分かつ不適切であると考える。そして現在の養成課程を改善する一つの可能性として、医学部とは独立した専門学士課程の設立を提案する。
 私たちは、日常的に患者と触れ合うことができる(私たち)の職場を、研究にとって選ばれた場所であると考える。そしてリハビリテーションのあらゆる側面において「考えること」と「行うこと」との対置をなくすべきであると考える。その中に医師と医師以外との対置も含まれる。
 私たちは、リハビリテーションに関する科学的情報を求めるすべての市民にとってのよりどころの一つになりたいと望む。なぜなら、このような情報の提供と普及は,リハビリテーション治療の対象となる諸問題について患者の知る権利につながるものであり、身体障害を予防する手段であると考えるからである。
 私たちは、リハビリテーション治療の独自性を主張する。ただし、社会的・経済的な意味合いをもつ方略は、厳密にはリハビリテーションの範疇に入らないと考える。
 私たち「アレクサンドル・ロマノヴィッチ・ルリア図書館」は、このような関心をもつすべての探求者のための研究の場である。

最新のリハビリテーション医療
最新のリハビリテーション医療 〜認知運動療法とは〜
 認知運動療法は,1980年代にイタリアのリハビリテーション科医カルロ・ペルフェッティ教授によって考案され、日進月歩の勢いで進歩している脳科学の知見に基づいて改良されてきた最新のリハビリテーション体系です。近年は、イタリアのみならず、フランス、ドイツ、オーストリア、スペインといったヨーロッパの国々で広く普及しています。当院では2005年より導入を開始し、現在、すべてのリハビリテーションを認知運動療法に基づいて実施しています。国内でこのような施設は今のところ当院のみです。
 従来のリハビリテーションは脳に損傷を受けたためにできなくなった動作を、痛みや怖さをこらえながらひたすら練習することが行われてきました。しかし,自分の手や足の動きが十分感じられず、その手足がどこにあるのかさえわらかないで、本当に自分がやりたい動作ができるようになるのでしょうか?認知運動療法では治療の対象を動かなくなった身体ではなく、身体を動かしている脳だと考えています。私たちは身体をよく感じることで、身体イメージをつくりだし、その身体イメージを動かすことで動作を起こしています。その役割を担っているのが脳です。ですから、脳の働きを理解したうえでそれをリハビリテーションに活用していこうとするなら、痛みや怖さを我慢してただやみくもにできない動作を練習するのではなく、リハビリテーション専門家の助けをかりて、脳がもっている集中力と思考力を使ってじっくりと自分の身体やその動きを感じながら、自分の身体イメージを確実に体験していく方法が必要になります。最新の脳科学は、脳のもつ素晴らしい学習能力について数多くのことを解明してきました。そしてそれをリハビリテーションに応用しようというのが認知運動療法なのです。
 なお、骨折や関節炎などの整形外科疾患のように脳が損傷を受けていない場合でも、損傷を受けた身体で無理に動作することによって、脳は異常な身体イメージを覚えてしまいます。また、病気の治療のために安静臥床が続くと、脳は身体イメージを忘れてしまいます。そのため、整形外科疾患や安静臥床の後でも、身体イメージの十分な調整が必要です。ですから当院では脳損傷のみならず、すべての疾患に認知運動療法を取り入れています。
患者のみなさんへ
患者さんに守ってもらいたいささやかなルール

身体を動かすだけでは不十分です。感じるために動くことが必要です。運動というのは、自分自身あるいは外部世界を認知するためのものです。大きな力を要する運動、すばやく大きな移動を要するような運動の練習はあまり役に立ちません。

 脳は、あなたが世界を認知しようとして運動したときに最も活性化します。ですから、あなたは動きを「感じる」練習をしてください。感じるために注意が必要となればなるほど、脳の関わり方が大きくなります。自分の運動や対象物との接触に、いつでも最大限の注意を払ってください。目を閉じて身体を動かしてみるのも一つの方法です。

 そして対象物との接触では、特に重量を認識する努力をしてください。あなたの身体やその部位にも重量があります。座っている状態で、あるいは立っている状態で、自分の腕、自分の脚、自分の体幹、自分の身体全体の重量を感じる練習をしてみてください。例えば重量が身体の左側と右側に対称に配分されているかどうか感じてみてください。いろいろな運動を行ったとき重量が(身体内で)どう変化するかも感じてみてください。

 誰か他の人にあなたの身体を動かしてもらうのも良いかもしれません。そうして、あなたは目を閉じて、自分の身体がどう動いたか、あるいは自分の身体に触れた対象物の特性を感じるために脳を使ってください。

 運動を始める前に、自分が行おうとしている運動について考えてみてください。自分の身体がどうなるかを考えてみてください。身体から、あるいは対象物からどういう情報を得ることになるのかを推測してみてください。そして運動を行った後で、事前に自分が予測したものと実際に感じたものが合致しているかどうかを考えてみてください。自分の身体が動く感じを脳の中でイメージしてみてください。

 以上の規則を守ると、最初はゆっくりしか動けなくなりますが、それは心配には及びません。規則を守れば、自分の運動を前より上手にコントロールすることができるはずです。そのうちにもっと早く動けるようになります。

サントルソ認知神経リハビリテーションセンター

カルロ・ペルフェッティ

原則は以上ですが、具体的な内容は患者さんによってそれぞれ異なりますので、お一人で行う前にリハビリ担当者とご相談ください。

 よろしくお願い致します。

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